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外道NATO研究者の作業部屋

ここでは外交時報論文「NATOの東方拡大」執筆作業の過程で学んだインターネット関連の作業ノウハウを提供します。あらかじめお断りしておきますが、僕はMacユーザーです。従って、使ったソフトは全てMac用です。しかしながら、作業の過程はWindowsユーザー及びUnixユーザーにも参考になるでしょうし、提供する素材はそのまま使用できるでしょう。本文中、リンク先を指定しないで触れているシェア・ウェア或いはフリー・ウェアについては、以下で検索するなどしてみてください。
Otis

このページの目的と構成

目的

このページは、WWW 情報源の効率的な利用と電子白地図の作成・利用・出版の手の内を明かしたものです。このページによって、あなたはWWW情報源を今よりも経済的かつ自在に検索しつつ利用できるようになり、利用範囲の広い電子白地図を自在に作成して自分の論文に利用できるようになります。

構成

以下のこのページの構成は下記のようになっています。
情報源
一次資料
二次資料
インターネット 情報源の効率的な利用
電子白地図の作成と利用
電子白地図作成
電子白地図の利用
その他の電子白地図
以上です。

情報源

一次資料

NATO公式文書及び非公式ファクト・シート米合州国要人発言及び書簡検索国務省ファクト・シート(このリンクは特にNATO拡大に関するファクト・シートへのもの)Washington Files(米対外政策関連資料のdailyクリップ)は非常に有用。

二次資料

二次資料つまり論文は基本的に図書館にこもった方がいいです。但し、以下はWWW的に有用。NATOレビューNAA報告書。但しNAA報告書参照のためには、ADOBE ACROBAT READER(無料)が必要。また、どうしても手には入らない最新の外国文献に関しては、世界最大級のWWW書店Amazon.comで購入しました。

インターネット情報源の頻繁な利用

インターネット情報源の頻繁な利用は、専用線接続をしていない限りかなりの電話代が掛かります。また、電話線がないところでは使えません。そこで、僕は頻繁に利用したNATOのWWW全体を自分のパソコンのハード・ディスクに再構築して利用しました。但し、例えば33.6kbps接続をしていた僕の場合で確か最初に上記再構築(要するに丸ごとコピー)をしたときには確か8時間くらい掛かった気がします(NATOのWWWは、手元のハード・ディスクにある複製を見たところ大体155MBあります。但しJPEGデータは含んでいません)。また、その後の更新チェック(つまりメンテナンス・アップデート)には一回30分から3時間程度掛かっています。時間の幅は、更新されているファイルの量、回線の混み具合、チェックをそのパソコンで他の作業をしながらのバック・グラウンドでやっていたか否か等などの状況によるものでしょう。ですから、利用頻度と本当に電話線のないところでも利用したいかといったことと考え合わせてこの手段を取った方がいいと思います。また、個人使用或いは研究目的での使用以外にはこのようなWWW丸ごとコピーが問題をはらんでいることは言うまでもありません。

但し、いったん手元のハード・ディスクにWWWを再構築してしまえば、閲覧の速度(電話線経由より内蔵ハード・ディスクを覗きにいく方がめちゃくちゃ速いに決まっている)、WWW全体の検索(但し、これについては各種WWW検索エンジンの研究次第では可能かもしれない。とはいえ、検索するにしても手元のハード・ディスクの中を見る方がめちゃくちゃ速いに決まっている)等の点でメリットがあります。以下に再構築と検索に使用したソフトを紹介します。

PermanSurfer波乗野郎(市販品だが販売はWWW経由のみ。Windows版もある)
GripGrop(フリー・ウェアつまり基本的に無料)
波乗野郎については開発元のWWWを見ていただくとして、GripGropでは、例えば再構築した手元のハード・ディスクの中を検索して、該当したファイルを、それがHTML形式であるならばブラウザを自動的に立ち上げて閲覧することも可能です。その設定の際には、例えばブラウザがNetScapeNavigatorなら"MOSS"がクリエータです。他のブラウザについては知りませんが、FileBuddyというソフトがあれば、クリエータを知ることが出来ます。FileBuddyは無料でも基本機能は利用できますが、本来$25のシェア・ウェアです。

このようにして、僕はNATOのWWWを丸ごと自分の手元にコピーし、必要に応じて好きなだけ全体を検索しながら作業を進めました。

電子白地図の作成と利用

まず、使用したソフトは以下の通り

GraphicConverter(シェア・ウェア。以下GC)
ClarisWorks(以下CW)
MacDraw(以下MD、現在市販されているのはClarisDraw)

白地図を用意し、任意の国を任意のアミカケ処理などする方法を模索しました。まず、完成図をご覧ください。ご覧になったらこちらにブラウザの「戻る」或いは"BACK"ボタンで帰ってきてください。

電子白地図作成

次にこの完成図に至った経過を説明します。いろいろ試行錯誤はあったのですが、結局僕は手元にあった白地図をスキャンし、スキャンしたデータが不明瞭な部分はGCで8倍に拡大しつつドット毎に消したり書いたりしました。この作業自体は他のグラフィックソフトでも「消しゴム」ツールさえあれば問題ありません。但し、知る限りGCが最高です。それは、以下のような作業工程を経たからです。

まず、スキャンした画像は何段階ものグレー・スケールになっています。勿論最初から白黒でスキャンすることも可能でしょうが、かなり荒い画像しか入手できなくなってしまいますので、最初は16階調以上のグレースケールでスキャンすることをおすすめします。しかし、2段階(つまり白と黒)以外の中間のグレー・スケールは最終的には不要なので、出来るだけこれを白か黒かどちらかにしたい。そこで、まず16階調のグレー・スケールデータに変換し、殆ど白なグレー以外はカラーパレットの変更機能で黒に引き上げました。逆に、元来白なのにグレーにスキャンされてしまったと見られるものはこの段階で白に戻します。これで、必要なデータは失わずにはっきりした画像を得ることが出来ました。

しかしながら、余計な「シミ」や「ニジミ」も黒に引き上げてしまいました。ある程度は仕方のないことです。必要なデータを失わないためには必然的にこうなります。こういった「シミ」や「ニジミ」を「消しゴム」ツールで一生懸命消したわけです。この「消しゴム」作業自体は「消しゴム」機能さえあればどのソフトでもいいのですが、前段の画像の階調の変更やカラーパレットの変更などでGCを重宝したわけです。さらに、気分的な問題ですが、GCで「エッジをシャープにする」とか「コントラストを強くする」といった機能もかけた気がします。

そのうえで、NATO加盟16カ国部分を塗りつぶして雛形をつくりました。まずこれを提供します。残念なことに、これ以前の段階は保存していませんでした。ご要望があれば作成いたします。

CW版データ(zip形式で圧縮)、GIF形式データ、BMP形式データはここ

電子白地図の利用

私は、このNATO16カ国を塗りつぶす際に既にCWのペイントの"MagicWand"機能を使いました。このときの様子をMacシステム標準の「スクリーン・ショット」機能で撮影したものがあります。ページを変えてこのときの様子を見に行きます。辿っていけばまたこのページに戻ってくるようになっていますので、安心して行ってきてください。ここが入り口

これで土台の作業は終了。特定の国を好きなようにアミカケ或いは色分けした地図ができあがりました。あとは、このデータにタイトルを付けたり凡例をつけたりするだけです。この作業は、CWではなくGCかMDを使用した方がいいです。埋め込んだ文字列をオブジェクトとして扱える(つまり文字列だけをあとから移動したりといった編集・レイアウト的機能)点でこれらのソフトの方がCWより優れている、というかそうしたい場合CWでは仕事になりませんでした(但し前述のMagicWand機能はCWにしかなかったんですが)。

また、最終的には画像データはMacならPICT形式、WindowsならBMP形式にしてしまいがちですが、WWWパブリッシングをしている方ならご存じの通り、この手の画像ならGIF形式、写真等の画像であればJPEG形式を使用するのが一般的です。今回はきちんとした出版用だったので、オーバー・クオリティは承知でJPEG形式にしたのです。

その他の電子白地図

また、最終的に時間的な制約から白地図をスキャンするという手段にでましたが、現在WWWで提供されている最強の白地図データはXEROXのPalo Alto研究所(AppleのGraphic User Interfaceの発想の源として有名)のものです。世界地図から任意の地点を中心にして任意の倍率で白地図を作成でき、河川を入れる・入れない、国境を入れる・入れないを自由に選択できます。問題点は、国境データがまだ冷戦のまっただ中であること、緯度・経度の線(グレーで入る)が取り除けないこと及び国境線が茶色で入ってしまうことです。しかし、後者2つは前述のGCのカラーパレットでいくらでも操作できますので、今となってはこれもアリだったかなと思います。但し、旧ソ連分裂、チェッコ・スロバキア分離、旧ユーゴー分裂等は自分でちまちま書き入れなければなりませんが。

また、ftpを活用している人ならさんざんお世話になっているrikenのサーバーにも世界の白地図が各大陸別のデータで提供されていますが、欧州が欧州版として、露がアジア版として提供されており、しかも欧州版とアジア版は縮尺が違うため、これを均一の解像度を保ちつつ合成するのは面倒です。しかも、やはり国境が冷戦中。。。産経新聞も地図データを提供してくれていますが、これは色分けや国名がごちゃごちゃ入っていて再利用に向きません。残念。というわけで、僕は手元の白地図をスキャンしたのでした。ちなみに、「手元の白地図」も国境は冷戦中だったので、様々な変更は僕の手書きです。

le 15 fev. 1998脱稿
(2009年10月30日追記)世界地図・日本地図の白地図を無料ダウンロード!【世界地図|SEKAICHIZU】
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