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created on: le 01 Jan 2005

04年度尚美学園大学総合政策学部学園祭展示: 拷問とはなにか

これはゼミの学生が学園祭で作成したポスター報告を電子化したものです。この業績はすべて学生さんの成果ですが、同時に参考資料からの盗用などがある場合、その責任はすべてゼミの学生さんが負います。

担当者コメント: 学生有志による学園祭web報告でも他ゼミの報告よりも多くの写真点数で紹介されていました。その点では、評価に値します。担当者の方針は、タブーなく、学生さんの興味を持ったテーマで、しかし定義と問題提起と分析というアカデミックな方法論の演習だけはきちんとふまえてほしいというものでした。結果、定義は一応どこかから拾ってきたようですが、例えば拷問禁止条約に見る拷問の定義と、日本等の刑法上の定義の差異、もしくは一般的な国語・百科辞典等に見る定義の間にも差異があった筈です。既にそこらへんから突っ込みを入れることが可能な筈でした。政治学的に拷問について論じた論文があるのか不明ですが、関心があればDBなどで調査はできた筈。国際政治的には、前述の拷問禁止条約の制定過程、運用の実体なども興味深いテーマですし、担当者の示唆によって組み入れられたトルコの刑法改正問題とEU加盟問題のリンケージ等ももっと掘り下げてほしかった。また、ビジュアルに走るのであれば、拷問器具を再現したりするのもインパクトがあったのではないか。欧米各国では拷問に関する博物館が意外と目につくが、日本ではあまり聞かない。ここらへんも掘り下げ甲斐のありそうな部分であった。

展示の様子

拷問の定義

「拷問とは・・激痛を加えること。例えば残忍な暴君・野蛮人・盗賊その他によって、犠牲者の苦悶をみまもる喜びから憎悪もしくは、復讐のため、あるいはまた強要の手段として、行われる。特に法的な拷問をいう。」(出典: 『西洋拷問刑罰史』)

概説

拷問という行為は大昔にさかのぼり、それが存在した証拠は人類の歴史上あらゆるところに現れている。拷問を実行したという汚名からまぬがれた国はひとつもないし、今日でも、これを実行してない国はほとんどない。とりわけ、宗教は拷問を表面に押し出した点で重要な役割を演じこの罪名をまぬがれるなどはほとんど存在しないのである。

さまざまな拷問

スペイン式拷問椅子

スペインの異端審問が愛用した拷問椅子は遠めには普通の椅子の形をしていた、しかしこれがどれだけ恐ろしい拷問具であるか人目で見て取れるだろう椅子は鉄製で座ったときに人間の身体が触れる部分には、ほとんど針といってもいいくらいの鋭いトゲが無数に植えられていた。審問官たちは犠牲者にこの椅子を見せて脅迫し、屈服を迫る、それでも強情を張るようなら裸にして実際に座らせる、犠牲者はまず、以外にもそんなに痛くないことにきずく、これはトゲの密度が高く、体重が分散されるためだ、トゲを植えた背もたれに背中が触れるように胸にはベルトか押さえ板があてられる、さらにトゲを植えた肘掛に前腕部を載せて革ひもで縛りつける、こちらは力いっぱい縛るために否応なくトゲが刺さる。脚用にもトゲ板が完備している、そこに外側から板を当てネジを当て、ネジを締め付ける、しかしここまではほんの準備段階であり、そこからワザと身体を揺さぶったり、肩に拷問者が体重を掛けたりし手足を締め上げたりするのだ、それまでなんとか持ちこたえていた尻にもトゲが突き刺さり、皮膚を切り裂く、それでも屈服しない場合は椅子の下に炭火を入れた鉄の箱が置かれた、お知りの鉄板焼きである。主に魔女裁判で活躍した。

アイアン・メイデン(鉄の処女)

中世ヨーロッパで使用された拷問器具として最も悪名高いのは、この「アイアン・メイデン」だろう、これは大きく分けて二つの型が見つかっている、一つ目がドイツのニュルンベルグの秘密法廷の地下室で使われていたとされている型である。外観は女性の立像をかたどり、頭部と胴体部から成り立っている、胴体部前面にある両開きの扉を開けると中は空洞になっており、内側へ向かって鋭い鋼鉄の針が容疑者のその身体を突き刺す、二本の針が両目を貫き、他の針は体中のあちこちを貫き刺すのだが、しかし心臓や頚動脈のような急所を外すように配置されていた、そのため容疑者は即死することなく「アイアン・メイデン」の中で数日の間血を流しながら苦痛に耐えなければならなかった。過去の記録によると1515年に偽札を作った男に対し初めてこの処刑が使われ男は絶命まで三日間苦しんだという記録が残っている。容疑者が命を落とした後もしばらく放置され、死体はやがてそこの落とし度から水の中へ捨てられたという。もう一つの「アイアン・メイデン」はスペインのトレドの異端審問所の地価の拷問室で発見されたものである。このトレドの鉄の処女は聖母マリアの立像である腕と体の前面は針や刃物の先端が外に向かって仕組まれており腕の関節は機械仕掛けで動く、容疑者はこの前に立つとマリア像は両腕を開き彼を抱きしめるそして彼を血まみれにした。像の両目から飛び出す刃物両目を刺し、心臓から飛び出す鋼鉄の棘が彼の心臓を貫くのだ、それでも絶命しないとき窒息するまで強く彼を抱擁するのだった。二つの「アイアン・メイデン」が両目をつぶす行為は古代ローマ時代から行われてきた伝統的な拷問の一種である。鉄の処女のように人間を閉じ込めて針で突き刺す拷問自体が古代ギリシャ時代からすでに行われていたという。

火刑(火あぶり)

 日本でも火を使った刑は、極刑の中でも最高位に位置されていた。火付け盗賊改め方といえば、鬼の平蔵の存在が有名だが平蔵であれだれであれ火付け盗賊改め方に捕らえられればまっているのは火あぶりとなっていた。有名なジャンヌ・ダルクも火刑によって処刑されました。

日本独自の拷問

石抱き

ドラマなどでおなじみ「石抱き」は、最終的な拷問であり、逆に言えば石抱きをすればたいていのものは落ちてしまう。そのぐらい激しい苦痛が加わり一度でも石抱きにあった罪人は苦痛のあまり顔がゆがんでしまったといわれている。

拷問の現在

ジャーナリスト、アンドリアン・ワイの体験談

「正直なところ、私が味わった恐怖は、とても言葉ではあらわせません。」「私は目隠しをされ監房へ連れて行かれました。そこには、パンサーと呼ばれる男が待ち構えていました。彼は目隠しを外すと私を殴り始めました。私は服を脱がされ、3メートル四方ほどの小さい部屋に連れて行かれました。その部屋には30人以上もの人が詰め込まれていたのです。」
―想像してみて下さい。私の腹に、熱い鉄が押し付けられる所を。
―想像してみて下さい。美容師の使うような鋭いはさみを・・・。そしてそれを使って、まるで布を切り取るように、背中の肩甲骨のところから私の皮膚がはぎとられるところを。
―想像してみて下さい。喉元にカラシニコフ銃を突きつけられて、他人の尿を飲むよう強制されているところを。
―想像してみて下さい。ぎざぎざの刃のついた小さなテーブルナイフで、私の舌が刺し貫かれているところを。ほら、まだ傷痕が残っている。
1997年10月、コンゴ共和国ブラザビルのバコンゴで、民兵組織により、12日間にわたって拘禁された。逮捕された理由は、敵対する民兵組織の指導者とつながりがあるということで。

トルコ刑法改正案可決

トルコ国会は2004年9月26日、婦女暴行罪の厳格適用など人権規定を強化した刑法改正案を可決した。加盟を目指す欧州連合(EU)からの強い反発に配慮し、姦通罪規定は除外された。女性の権利拡大や拷問禁止の強化などを盛り込んだ法案が可決されたことで来年初めのEU加盟交渉に道を開いた。




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