CD-ROMマガジン「La Vague Interactive」

動かない...のも異文化体験?
 フランスのCD-ROMマガジン、「La Vague Interactive」(Interactive Wave)を取り上げました。ナビゲーションが独特だったのを覚えています。色使いやキャラクタの造形も気持ち悪いというか、気持ちいいというか...。

 LVIはその後も健在。最新号はテリー・ギリアム特集。「ブラジル」で語り残したこと。

られたかと思いましたよ。はじめに宮本編集者とこのディスクを開こうとして、全然ダメで。まあ、何てことはなかったんですが、やっぱり心の中は、「うわあ、フランス」そんな感じですね。ただそれで、フランスだからしょうがないって言うのと、これで異文化に触れた気になるのが不思議。物事うまく行ってないだけなのに。

異文化なのは、これがPARIS-MATCHであること。日本の店頭に並んでるCD-ROM(セデホムと呼ぶ)で、NEWSWEEKとかTIMEなんかと比べたくなるものはないんじゃないですか?きっちり政治記事は入っているけど、結構さっぱりしているので、あの手のグラフ誌のペラペラな感じが良く出てます。国内政治はないし、世界の情報も、お約束の風刺漫画中心。それとMOVIE。ただし、日本のところでは、タイトルが広島なのに京都の高島屋が写ってます。特集はベトナム。映像がとても美しい。記事はコンパクトでもきっちり押さえてます。

LE MONDE DIPLOMATIQUEほど堅くない。そう思わせるのは、子供向けソフトが多く入っているところ。やっぱり欧州は大人と子どもの境界線がきっちりしている社会。だから子供は大人になりたがる。いつまでも少年とか言ってるのはやっぱりお子様どまり。フランスで最近マクドナルドが定着したのは、大人をあきらめて子供の誕生会で成功したらしいし。しっかりしたマナーがいらない、子どもの世界なんだよね。

子どもの世界としては、アルファベがあり、ゲームあり、子供向けCD-ROMのデモ版あり。あとは、なんといっても「バカによるバカ」。デジタル・ドリフみたいな感じ。何を根拠に言ってるかというと、ドリフは、計算された、子どもが初めてふれるタブーというのが特色だから。三人の人間が出てきて、彼(彼女)の体の一部をクリックすると、何か反応するわけだけど、そもそもこれだけでも人間をいたぶる感覚があって、さらには股間までクリックできる。でも、さすがに(あそこから)ボワッと煙を噴いたり、「あとはテレビでね」のメッセージが出たりして、ごまかしたりする。これはこれでうまい。

インタビューがちゃんと肉声で入っているのは、当然だけど偉い。ともかく、声とか文章とか言語情報が多い。だから自分が受け取る情報量は、結構充実してますね。やっぱりテレビサイズの画面に映像情報が流れるだけだと、いくらコンピューターの扱う情報としては多くても、ナム・ジュン・パイクが言うみたいに、人間が受け取る情報として、効率悪いのは確かだから。

でも、やっぱり細かいところの動き方なんかはやっぱセンスいいですよ。「未来世紀ブラジル」と、「グラン・ブルー」の色と、「エクスカリバー」の魔法使いマーリンが混ざった感じ。(了)